手前の変え方がよく分かりません。
 後肢旋回、往復手前変えの練習が始まったのですが、どのような扶助を使って自分の重心がどこにあればいいのかわかりません。教えてください。

(女性・乗馬歴200鞍)
 後肢旋回と往復手前変えが質問の練習の中でどのように関係するのかよくわかりませんが、通常の往復手前変え(他に戻りを斜横歩や横歩で行う場合もある)について説明します。
 たとえば中央線で往復手前変えを要求する場合に、いきなり馬を進行方向に向けようとして手綱と内方脚を使うと、馬の後駆が中央線をはみだして外方に逃げるおそれがあります。そこで、中央線に接する地点で一歩か二歩中央線を直進させ、改めて進行方向を変えるようにすると、そうした問題は起こりにくくなります。
 また、手前を変える際に内方脚を使うことはもちろんですが、外方脚を待機させ、馬の腰が逃げるようであれば、いつでも使えるようにしておくとよいでしょう。
 乗り手の重心は、どのような運動を行う場合にもセンターになければなりませんが、外方脚を使う運動では、脚を使おうとするために重心が外方に傾いてしまうことが多いものです。 後肢旋回や横歩などの外方脚を使う運動でも、馬の体制保持や推進のためにいつでも内方脚が使える状態で運動を行わなければなりません。内方脚、外方脚とも正しいポジションで必要に応じていつでも使える位置で乗れていれば、重心はセンターにあるといえます。

(ジョーバ博士)


戻る